会長代行挨拶

第22回認知神経科学会学術集会を 2017年7月29日(土曜日)30日(日曜日)の 2日間慶應義塾大学三田キャンパス北館(東京都)で開催いたします。大六一志会長は一身上の都合により学術集会の会長を辞退され、差し迫った状況で私が会長代行を務めることになりました。「認知アセスメントのパラダイムシフト」という大六先生の決めた学会テーマは引き続き用いることにしました。

学会のプログラムについてご紹介します。特別講演を渡辺茂先生にお願いしました。今回お話になる共感、情動というテーマは先生がずっと追求されているテーマです。岡崎慎治先生による招待講演は、認知機能のアセスメントの新しい考え方を学ぶまたとない機会となるでしょう。シンポジウム 1は、脳卒中と神経心理学という過去からずっと続くテーマを取り上げています。まだまだわくわくするような話題があります。また 4名の実臨床家のスキルが語られます。もう 1つのシンポジウムは、神経心理検査がテーマです。認知アセスメントを考える上で、一度正面から取り上げて論じたいテーマであります。 4名のそれぞれの分野のベテランの先生がお話されます。教育講演として、超高齢者の脳病理を高尾昌樹先生がお話されます。 100歳を超えると老化は止まるのではという意見もあり、必聴の講演です。湯本真人先生は、神経生理学の先端研究として乳児の言語学習の問題に迫る研究成果をお話しされます。鈴木匡子先生には、物はなぜ見えるのかという古来の疑問に迫る最近の考え方を解説していただきます。最後に村井俊哉先生が、精神科からみた遂行機能障害などの高次脳機能障害の診方と考え方をお話下さいます。

両日にわたってポスターセッションが開かれます。臨床から基礎の幅広いテーマで、小児から認知症の高齢者を対象とした研究成果が発表されます。ぜひ足をお運びください。そしていい出会いがあることを祈ります。

慶應義塾大学三田キャンパスは東京タワーがすぐというアクセスの良いところです。三田商店街、慶應仲通り商店街があり、おいしいものに出会える店などがたくさんあります。夏の暑い時期ですが、多くの皆様のご参加をお待ちしています。この慶應義塾大学キャンパスで学会を開くことができるようになったのも渡辺茂先生のおかげです。深謝いたします。


平成29年6月吉日
第22回認知神経科学会学術集会
会長代行 武田 克彦
文京認知神経科学研究所